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父の手仕事を引き継いで

リメイクしました。

 

父が約40年前頃に制作した欅の一枚板のローテーブル。

てらてらとした飴色のニスが分厚く塗り込まれていて、私の部屋には雰囲気が合わず、勿体無いことに長年使っていませんでした。一度は処分も考えましたが、父が制作した思い出の品ですし、欅の一枚板というなかなか貴重なものでしたので今回リメイクをすることにしました。

しかし厚く塗られたニスをどのように剥がすのかが大問題。初めはサンダーで削りとろうと思いましたが、粘度が強いニスを初めからヤスリで取ることは不可能。調べ考えた結果、剥離剤で剥がすことが一番だという結論に。しかしこの剥離剤もまた難敵で、市場に出ている多くの剥離剤は匂いも強く劇薬並の商品がほとんど。これから毎日使うテーブルにそんな劇薬使いたくないというのが本音でしたので、なんとか許容範囲だと思える剥離剤を探し出して使用しました。ただ剥離剤で剥がせるニスはあくまで表面にのっている部分で、木に染み込んでいるものは取ることが出来ません。ですから剥離剤で大まかにニスを剥がした後はひたすらヤスリがけをしました。アトリエ内に細かな木屑が舞い散り大変なことになったことは許容範囲でしたが、人力によるヤスリがけは想像以上な重労働でした。

しかし大変な思いをした分、長年隠れていた欅の木肌は見事に変身しました。冬の厚手のコートを脱ぎすて軽やかな春のワンピースになったかのようで、真っ白な木肌はつやつやです。

このように何年たっても生まれ変わることが出来ることが無垢の家具の優れているところですね。安価な使い捨て家具には無い風格。やっと父からしっかりと受け継ぐことが出来たと感じました。これからは毎日このテーブルの上でお茶を飲み、ゆったりとした生活を送りたいと思います。そしてこの机を育んでいくことが出来たら、10年後には天然の飴色に変化しているのではないかと思いをはせ、そのことが今から楽しみで仕方ありません。